でも夢を持ちたい、私は思った。中学で勉強を頑張って、高校受験に取り組む、まだ2年生だけど、あと一年したら…
だから私は負けない、死んでたまるか。
こう思えたのも、太樹のおかげだ。
あなたがいたから今の私がいる。太樹には伝わったかな。
「おはよう、太樹」
「おはよう、花音、誕生日おめでとう。」
10月2日私の誕生日だ。
「ありがとう、太樹」
「これ、花音に似合うと思って、選んだんだけど」
「わー、かわいい!これ、好きだよ!太樹ありがとう、一生大事にする」
「あ、当たり前だろ、捨てる奴の気が知れねーな」
「ねえ、太樹、今日の帰りさ、どっか寄り道しない?」
「え、でも、花音、そういうの、止められてるんじゃないの」
「うん、でも今日は特別、お母さんにも許可もらってるから平気だよ、話したいこともあるし。帰りは迎えに来てもらうことになってるから、それで一緒に帰ろ!」
「え、俺もいいの?」
「うん!」
キーンコーンカーンコーン
「太樹!いこ!」
「おう、体調大丈夫か?」
「平気、今日はね、調子がいいんだ!」
「そっか、ならよかった、ゆっくりいこ!」
カフェ、にて
「花音、話ってなに?」
「太樹、わたしね、学校やめることにした」
「え、でも、保育士は?」
「うん、よう考えたの、そのほかに自分にやることがあるんじゃないかって、それをしてからわたしは自分の夢に向かっていく」
「なんか、することがあんの?」
「まぁ、ね」
実はこの時はもう、わたしの中でカウントダウンが始まっていたんだ
2日前、病院での検診にて
「花音ちゃん、今から大事な話をするからよく聞いて」
いつも聞いてるよちゃんと、それに、言われることなんて何と無く想像がつく
「余命を宣告する」
うん、わかってた。
「それは、わたしが無理に学校に通ってたからですか?母に、反対されたのも、母がこの事実を知ってたからですか?」
「そういうことになる、」
「だったらわたしすぐに学校なんてやめてた。なのにどうして、どうしてすぐに教えてくれなかったんですか」
「お母さんに頼まれてたんだ、娘にはまだ言わないでほしいと、花音ちゃん、夢があるそうだね、その夢を諦めて欲しくなかったんだって」
「そんなの、お母さんの勝手ですよ。本人の、わたしの気持ちは無視するんですか、そんなのあんまりですよ」
わたしは泣きじゃくった。この日どうやって家に帰ったかなんて覚えてないし、お母さんを責めることなんてできなかった。
3年
わたしの余命