「なぁ、雪乃。俺と一緒に回るのつまらない?」

かなくんの急な質問に無意識に聞き返してしまう。


「雪乃はさ、好きな奴とかいないの?」



『え⁉えっと....いるよ。大好きな人が』



「俺なんかと一緒に回ってていいのか。その来てる浴衣だってそいつに見せたかったんじゃねーの?俺一人で平気だから行ってきていいよ」


なんで...


『なんでそんなこと言うの?』



「さっきからつまんなそうにしてるし、好きな奴いるんだったらそいつの...『かなくんが!!』



『かなくんかっこいいから。好きな人が隣にいるから。緊張しちゃって何も考えられないんだよ。かなくんのこと好きだから。大好きだから一緒にいたいんだよ!この浴衣もかなくんに見せたくて着てきたのに....かなくんのばか!!!』



私はかなくんを置いて走り出した。