そうしたらなんか、怒るのも馬鹿らしくなってきて、あたしも、へへっと笑った。



その時、ふと思い出した。


「……あっ、そうだ。あたし、チョコ作ってきたんだった」

あたしは鞄から小さな袋を取り出し、それを相馬くんに手渡す。

可愛くラッピングされた袋の中には、チョコブラウニーが入っている。
不器用ながらにも、必死に作ったものだ。


「マジで!?超嬉しい!ありがとう!!」

相馬くんはそれを満面の笑みで受け取ると、すぐさま食べ出した。



「うわー、うめえ!!最高っ!」

相馬くんの幸せそうな顔に、あたしは笑みを零した。


「大袈裟だよ。双葉ちゃんのやつの方が美味しいって」
「えっ、純香ちゃん、俺が双葉の試作品のチョコ食べたの知ってんの?」