あたしは遠慮しながらポッキーを食べていく。
1センチ、二センチ……と、唇の距離が近くなっていって、緊張も高まっていく。
そして、あと少しで食べ終わる、という所で、あたしはポッキーを思い切り噛んで、ゲームを無理矢理終わらせた。
「……いいとこだったのにー」
相馬くんの不満気な声が聞こえたが、あたしは無視した。
恥ずかしかった。
やっぱり、あたしにこの遊びはハードルが高い。
「んじゃ、もう1回」
「はあっ!?」
それなのに、相馬くんはまたポッキーゲームをしようとする。
そして今度は、あたしの許可を取る前に、ポッキーをあたしにくわえさせ、もう一方の端をくわえた。
「ちょ、相馬く……」
「今度は、途中で止めるの禁止ね。よーい、スタート」
相馬くんは怪しく微笑んだ後、またポッキーゲームを始めた。
そしてまた、近づいていく距離。