あたし、年下は嫌なの。



「ルリちゃーん!」
「来るなー!!」


何をどう間違ったの?神様。

渉くんがあたしの学校に入学してくるなんて……!



渉くんが入学してきてから、あたしは毎日、渉くんに追い掛け回されている。


毎日毎日、人目も気にせず抱きついてきたり、大声で好き好き言ってきたり。

そりゃあもう、迷惑以外の何物でもない。

入学する前から、校門まで迎えに来たり、守先輩と喧嘩したり、あたしと喧嘩したりと色々あったため、この学校では有名人だったけれど、今はもう、あたし達はすっかり有名カップルになってしまった。

そりゃあもう、迷惑以外の何物でもない。



「ルリちゃん!弁当食べよう」
「あー、はいはい。ちょっと待ってね」

それでも一緒にいるのは、やっぱりあたしが渉くんのことを好きだから。


「ルリちゃん、だって……ガキじゃん。どこがいいの?あんな奴」

クラスのどこかから、そんな声が聞こえた。
きっと、ドア付近にいる渉くんには聞こえていないくらい、小さな声。


なんだかなあ、と思う。