「ごめん!待った?」
「ううん、全然」
息を切らしながら、良かった、と笑う灯に、私も微笑み返した。
イルミネーションが街を彩る、聖なる夜。
今日は、クリスマスイブだ。
私達も、恋人らしくデートをすることになっている。
駅前は、沢山の人で混雑している。
「よし、じゃあ行くか」
「そうだね」
その人混みを掻き分け、私達は駅のホームへと向かった。
実は今日、私達は少し遠出をして、隣の県の遊園地に行くことになっている。
そこのクリスマス限定のお化け屋敷に行きたい、と灯が言ったからだ。
正直、あまりお化け屋敷は得意ではないのだけど。
「おおー!すげえリアル!!」
遊園地にやって来て、お目当てのお化け屋敷を見た瞬間、灯は嬉しそうに叫んだ。