「信じらんない」

「あのねえ・・・」


頬をプーっと膨らませ、子供のように拗ねている瞬に、あたしはため息を吐く。



最近、とても可愛らしいワンピースを見つけたあたしは、それが欲しくて欲しくて仕方がなかった。

白い生地に、黄色い大きな花柄が印象的な、清楚なワンピース。
夏にはぴったりの色。

でも、今のあたしには、それを買えるお金がなかった。


・・・ということで、夏休み期間を活かして、カフェでアルバイトを始めたのだ。


しかし、そのバイト先に男の人が多いということが、あたしの制服姿を観察しに来た瞬にバレてしまった。

いや、隠すつもりなんてなかったのだけれど。
というより、男の人が多いとか、気にもしていなかった。