「は?ナニソレ?」


「だからなんでも願いが叶う飴だってば!昨日飲み屋のオッサンに貰った!」

いかにも胡散臭い飴を俺に無理矢理渡すと笑顔で去っていく同僚に腹が立つ
ムカつくから手に持っていた飴玉を放り自分の口に入れガリガリと噛む

ホントになんでも願いが叶うなら、

嘘ばっかついてる俺を変えて欲しい


なんてな、胡散くせ。

「まっず!!」


包み紙をよく見てみると金が塗られていますと書いてある。
とてもまずい、でもガリガリと噛んでしまったから吐き出すわけにも行かず飲み込む
キャラメルラテにハーブをそのまま突っ込み最終的にドブと混ぜたような味がする

家に帰って口直しになにか食おうと早足で帰路につく、最中おばあちゃんから手伝いを頼まれコンビニの兄ちゃん達に絡まれ災難続き

あり?神様本当の俺はパシリでしょうか?

オマケに
「菅原くーん!久しぶり!」
元カノと遭遇、あー!!めんどくせー!!!


ようやく帰ってくると急にドンドンドンとドアを叩く音、マンションだから隣の人に聞こえてしまうとすぐに開けると少女が1人ワンピース1枚で立っていた。

「た、たすけてくらさいっ!」

取り敢えず只事では無さそうな様子だから家に上げる(良い子はマネしないでね☆)
仮にも大人の俺が未成年を家にいれるなど言語道断だろうが、腕から血も出てるし足も擦りむいてるし呂律も回っていない、ヤ〇ザに追われる少女?!
取り敢えず、事情を聞こう
「どうしたの?」

少女は「んとね!あのね!ママがおいてっておじさんはしってきたの!」と何度も言うが何を言ってるのかさっぱりわからない。



二時間かけて解読すると
この少女は母親に捨てられそこら辺のオッサンにずっと監禁されずっと皆から死んだものとされていたらしい(多分)
そのオッサンから逃げてきて、走って走って遠くまで来たら人が沢山居て驚いて俺の部屋にたまたま入ったという(多分…)

「それで14年も奪われたのか」

頷くカノジョはきっとずっと泣いていたのか目の下には泣き跡があった。

母親に捨てられて父親に暴行を受け続けた幼い俺が重なって涙が出そうになった
俺が泣き止んだのはいつだったっけ。

枯れたんだっけ、消えたんだっけ。



「なんれもしゃす!」なんでもします、か。

「じゃあ、笑ってろ。俺は笑顔が大好きなんだ。」

ニコニコ笑うカノジョに吊られて久しぶりに本当に笑った


「エヘヘっ、」


笑い声が珍しく部屋に響いた。