「マミー。今日の夕飯は何?」
「夕飯ってここで済ませるんじゃじゃないの?」
「マミーのレトルトカレーが食べたいの?」
「父さんも、母さんのボンカレーが食べたいの」

「せがれよ。ちこうよれ。世の中には金のなる木が存在する」
「なにですか?」
「1に愛人、2にセックス、3、4がなくて5に男気」
「お父さんのそれは・・・すごいわよ」


目の前の、黄金色の液体は既に6杯目に突入していた。こんなに激しくビールを飲むのは久しぶり。アタシは妄想しては噴出し、ビールを切らすと自分のセンスの無さにあきれ果てるため、次々と、アルコールを口に入れていった。「日本酒、バーボン、ビールに焼酎・・・酒もってこーい!」って誰の歌だったけな。その昔、惚れた男がカラオケで熱傷していったけな。

ここへ来る前は、自由気ままな元地元民による、札幌観光をしようと思っていた。しかし、現実はホテルのベッドでしばらくトランポリンをしてローカル番組を見た後、なんとなく、彼の後ろをついてきてしまった。