――それとも、まやさん自身に何か問題があるんですか?

倉坂に言われたその言葉がトゲのように、まやの胸に刺さっていた。

子供の頃から美人と言われる容姿をしていたせいか、自分の周りには常に人がいた。

自分で言うのもおかしいが学生時代は勉強も運動もできる優等生で、中学時代は生徒会会計、高校時代は生徒会長をやっていた。

あの頃は友達がたくさんいて、自分に告白をしてくる男たちもたくさんいた。

告白の件に関しては誰もピンとこなくて、誰に対しても丁寧に断っていたけれど。

「よう」

その声に視線を向けると、狼谷が手をあげていた。

「またですか…。

もう迎えはいいと、今朝もおっしゃったじゃないですか」

まやはやれやれと息を吐くと、狼谷に歩み寄った。