泣かれてしまったけれど、潤がそれでいいなら賛成すると言ってくれた。

薺には絶対妊娠していることは言わないようにと、念押して言っておいた。

かなり薺に対して怒っていたから、顔を見るのもイヤだと言っていたけれど。

薺が戻り1日目。

出張から帰ってきて、仕事がつまっているのか残業している。

それをいいことに、こそっとホテルに帰る。

1日目、任務完了。

電話もメールも無視した。

ケータイは明後日解約してから、ハワイに移るからこれもなくなるわね。

2日目。

お昼休みにエレベーター前にて捕まりかける。

寧々が大活躍。

「潤っ、話をしよう。」

『もう、何も話すことはないわよ。』

冷たくあしらう。

「そうですよ?蓮城課長。かなり噂になってますね?あの後輩に乗りかえたって。あの後輩ちゃんが噂の元みたいですけど、隙を作った課長にも原因ありますよね?私も仲良くプライベートな話をする姿を、何度も見ててイライラしてましたしね。あれじゃ、後輩ちゃんが勘違いしても、しょうがないですよね?何度も殴りにいこうかと思いましたもん。」

「噂?あれは…あの子と話すと潤が嫉妬してるのが、嬉しくてつい話してしまって…。」

「バカですか?潤をかまってあげないくせに、自分は嫉妬してほしいなんて。それで潤が泣いてたら意味ないでしょう?」

「泣いたのか…?」