「もう、由紀ったら入学早々何やってるの!」



あれから私達2人は急いで体育館に向かったのだが、入学式には当然の如く遅刻した。

担任の先生には呆れられたが、最初ということで何のペナルティもなしで許してもらえたのは本当にラッキーだったと思う。


そしてこの隣で私に少し怒り気味で話かけている子は東城絢香。小学生からの付き合いで、私早川由紀の親友である。



「ちょっと色々あって入学式のことすっかり忘れてたよ」



「入学式当日に忘れるってあんたの頭どうなってるのよ」



はぁ、とため息をつき、サラッと酷いことを口にする絢香にそれもそうだと私は苦笑する。

絢香はかなり毒舌なところもあるが、何かと頼れる私の大切な親友なのだ。