私は少し驚いて後ろを振り返ると、私より背が低く、可愛らしい女の子が携帯につけていたはずのうさぎのストラップを持って私に微笑みかけていた。
「すみません、ありがとうございます!」
それは私が中学生の時、親友にもらった大切なストラップだった。
見知らぬ可愛い子に声をかけられて動揺しつつお礼を言ってそのストラップを受け取る。
「それってもしかしてうさぎのラビ子?」
「えっ、知ってるんですか?」
私はとてもびっくりした。
〝うさぎのラビ子〟
それはこのストラップのキャラの名前である。
あまり人気のあるキャラではなく、お店にもたまに見かけるくらいなのだが、そのつぶらな瞳とふわふわで丸いボディはうさぎ好きの私を虜にするには十分すぎるくらいだった。