体育館は共有スペースの為、全員が体育館に集まる。

入学式が始まる。

そして特進科の首席が生徒代表挨拶を行う。

彼の名前は、清水拓斗(しみず たくと)。

彼の存在は前から知っていた。

なぜなら、いつも私の次が彼だから。

毎回2〜3点くらい下で私の下に名前が書き出されている。

顔も何度か見た事がある。

でも、話はした事がない。

彼はとても勝ち誇った顔で壇上に上がった。

そして普通科の列に並んでいる渡さを見つけたのかビックリした顔をしている。


「な、なんで、君がそこに…」


初めて聞く彼の声。

相当ビックリしたのであろう。

マイクに声が入っている。


「君!生徒代表挨拶をしなさい。」


近くにいた先生から指示が飛ぶ。


「すいません。…」


彼は少し動揺しながら生徒代表挨拶を終えた。

そして、入学式が終わり、普通科の校舎に向かっている時、誰かに腕を掴まれた。