私の一生をあなたに捧げます

『そうだった、すっかり忘れてた、わかったよ、明日学校終わったら行ってくる』

うそ、忘れてたなんて、自分から言わないようにしてただけ。明日学校終わったらそのまま行っちゃお。
翌日 放課後

『香織、帰ろー』

『ごめん、奈々、私今日病院だからそのまま行くわー、また明日一緒帰ろ』

『りょーかい、気をつけてね』
病院にて

『相沢さーん、相沢香織さーん、1番の部屋にどうぞー』

『失礼します、、こんにちは榊先生』

『こんにちは、香織ちゃん、久しぶりだね、大っきくなったんじゃない?忘れずに来たね』

『放課後になるまで忘れてましたけどね、それに一年も経ったら成長くらいしますよ』(もちろん、忘れてたなんてうそ)

『そっかそっか、玲から聞いてると思うけど、こないだの校内の内科検診で引っかかったみたいだね、苦しいとかない?』

『はい、大丈夫です。普通に昨日も今日も学校行ってましたよ』

『そっか、じゃー、音聞くから服めくって。
……………………ん、いいよ、んー、正常とは言えないなー、でも、気づいてないんだよね?体育とか、激しい運動しなけりゃ問題ないよ。
でもちょっとでもおかしいと思ったらすぐ来てね』

『はい、ありがとうございました』
……………………私はおっきな嘘をついた、こんな嘘、先生にバレたら怒られる。でも。。
ほんとは2、3日前から息苦しさがある、それで夜なかなか眠れなくて、 実は二日間合わせて3時間しか寝れてない、こんなの先生に気づかれたら怒られるに決まってる。今日は薬もらったし大丈夫かな。ゆっくり寝よう。
俺は呼吸内科の榊太一。25歳
次の患者は俺の妹の学校の生徒で一年前から担当している相沢香織ちゃんだ、学校の内科検診で引っかかったんだな……カルテを見ているとドアが開いて香織ちゃんが入って来た。
失礼します、、こんにちは榊先生』

『こんにちは、香織ちゃん、久しぶりだね、大っきくなったんじゃない?忘れずに来たね』

『放課後になるまで忘れてましたけどね、それに一年も経ったら成長くらいしますよ』

あー、俺もなめられたもんだな、苦笑
『そっかそっか、玲から聞いてると思うけど、こないだの校内の内科検診で引っかかったみたいだね、苦しいとかない?』
引っかかったんだからそれなりに苦しいはずだよな。でも………………

『はい、大丈夫です。普通に昨日も今日も学校行ってましたよ』

え、じゃー、ほんとによくなったんだろうか、
『そっか、じゃー、音聞くから服めくって。
……………………』

ん?ちょっと喘息あるんだけどな、本人は気づいてないのか、
『ん、いいよ、んー、正常とは言えないなー、でも、気づいてないんだよね?体育とか、激しい運動しなけりゃ問題ないよ。
でもちょっとでもおかしいと思ったらすぐ来てね』


『はい、ありがとうございました』
この時の俺はバカだった、この時の香織ちゃんの異変に気づいていれば…
『ただいまー』
誰もいない家に入ってそう言った。寂しいなんて別におもわない。これが普通の生活だから。
『今日は早く寝よう』
ご飯を食べてお風呂に入り、寝ようとしてた…のに
♪〜♪……〜♪〜〜
奈々からのLINE。早く寝たいんだよーと思いつつ開く。
『え………(ため息)』
奈々からのLINEは明日からの中間テストのことだった。そう、病院のことは覚えてたのに、テストのことなんて頭になかったんだ。
じゃあ、今日も寝られないのかと思いながら奈々にLINEを返して机に向かった。最近は授業に参加できてるから、一通り勉強すれば正直楽勝……楽勝のはずなのになぜか頭が追いつかない。追いつかないというか、体のだるさで頭がいうことを聞かないのか。。。でも時間をかけて一応一通り終わった。よし寝ようと思って顔をあげれば、

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