……………………私はおっきな嘘をついた、こんな嘘、先生にバレたら怒られる。でも。。
ほんとは2、3日前から息苦しさがある、それで夜なかなか眠れなくて、 実は二日間合わせて3時間しか寝れてない、こんなの先生に気づかれたら怒られるに決まってる。今日は薬もらったし大丈夫かな。ゆっくり寝よう。
俺は呼吸内科の榊太一。25歳
次の患者は俺の妹の学校の生徒で一年前から担当している相沢香織ちゃんだ、学校の内科検診で引っかかったんだな……カルテを見ているとドアが開いて香織ちゃんが入って来た。
失礼します、、こんにちは榊先生』
『こんにちは、香織ちゃん、久しぶりだね、大っきくなったんじゃない?忘れずに来たね』
『放課後になるまで忘れてましたけどね、それに一年も経ったら成長くらいしますよ』
あー、俺もなめられたもんだな、苦笑
『そっかそっか、玲から聞いてると思うけど、こないだの校内の内科検診で引っかかったみたいだね、苦しいとかない?』
引っかかったんだからそれなりに苦しいはずだよな。でも………………
『はい、大丈夫です。普通に昨日も今日も学校行ってましたよ』
え、じゃー、ほんとによくなったんだろうか、
『そっか、じゃー、音聞くから服めくって。
……………………』
ん?ちょっと喘息あるんだけどな、本人は気づいてないのか、
『ん、いいよ、んー、正常とは言えないなー、でも、気づいてないんだよね?体育とか、激しい運動しなけりゃ問題ないよ。
でもちょっとでもおかしいと思ったらすぐ来てね』
『はい、ありがとうございました』
この時の俺はバカだった、この時の香織ちゃんの異変に気づいていれば…
『ただいまー』
誰もいない家に入ってそう言った。寂しいなんて別におもわない。これが普通の生活だから。
『今日は早く寝よう』
ご飯を食べてお風呂に入り、寝ようとしてた…のに
♪〜♪……〜♪〜〜
奈々からのLINE。早く寝たいんだよーと思いつつ開く。
『え………(ため息)』
奈々からのLINEは明日からの中間テストのことだった。そう、病院のことは覚えてたのに、テストのことなんて頭になかったんだ。
じゃあ、今日も寝られないのかと思いながら奈々にLINEを返して机に向かった。最近は授業に参加できてるから、一通り勉強すれば正直楽勝……楽勝のはずなのになぜか頭が追いつかない。追いつかないというか、体のだるさで頭がいうことを聞かないのか。。。でも時間をかけて一応一通り終わった。よし寝ようと思って顔をあげれば、
『チュンチュン』
『ハハハー……………嘘でしょ、ねれなかった。。。』
まぁしょうがないかと思いながら学校に行く準備をする。そう言えば時間は…………は?8時こないだとまんま一緒じゃん、しかも今日からテスト。。よし、これは奈々の注意を無視して走るしかない、この時の私はこの後自分の体がどうなるかなんて考えてもみなかった。ただ、学校に遅れるということだけ
『はぁはぁはぁ、奈々おはよう』
助かったことに家から学校まではそこまで遠くないから少し走っても発作が起きることはない。『あ!バ『バカなのはわかったから』
何を言われるかなんてもうわかってるから先に言っておいた。
『あんた此の期に及んで、てか、こないだより息上がってるけど平気なの?』
『大丈夫だよ、ほらテスト始まっちゃう』
やっとおわった、弁当食べて今日は下校だ。よかった、この後授業なくて。正直……もう…
『香織、ご飯食べないの?自分で作ってんのにもったいよ、てか、うまそーー????』
『あ、じゃー、たべていいよ、奈々持ってきてないんでしょ、購買いくなら食べて。私食欲ないからいい、トイレ行ってくる』
正直きつい、保健室に行きたいのは山々だけど、病院送りにされそうだし、これで帰れるし、我慢だ