女子生徒が呆けた声を出す。
来ると思っていた衝撃が来ず、しかもそうしたのはオタク姿の俺だ。


無理もないかな?


取り合えず女子生徒を立たせる。


『大丈夫?』

「え、あ、うん。」

『じゃあ、シールドに入ってて。危ないから。』


名前も知らない女子生徒は、弾かれたように駆け出した。
それを見届けてから魔獣と対峙する。


「グルルルルゥ」


威嚇するように牙をむいて唸る。


『あ?なんだ?攻撃してこねぇの?』


煽るように笑みを向ける。
口だけしか見えないだろうけど。


「ガルゥ!」


吠えながら飛び掛ってきた。


『”縛”』