どこだ。

どこにいる。


立ち止まって辺りを見回す。
視覚と聴覚に意識を集中させる。

居た。

か弱そうな女子生徒だ。
目の前には魔獣がいる。


『ちっ。』


数十メートル離れたそこへ駆け出す。
周りは気付いていないのか、そんな俺の行動に呆気にとられ目を点にする。


「・・・っ、助けて!」


その女子が悲鳴を上げた。

ようやく事態に気が付く周りの者。
しかし時既に遅く、目の前の魔獣が前足を大きく振り上げた。
誰もが殺られると思った。

だが、予想していた悲鳴は聞こえず、硬いものどうしがぶつかるような鈍い音が響いた。


『セーフ、っと。』


女子生徒と魔獣の間に半透明の白いバリアが張られている。
それをやってのけたのは言わずもがな俺だ。


「え・・・・・・」