「シロクロと話に?」


「うん、あのな、シロクロも、もう戦争はしとないねんて」


「それでな、この山の畑の草を持って帰って、シマと交渉してくれと言うてんねん」


「わしと交渉?」


「つまりな、山の美味しい草や薬草と、谷の美味しい魚や魚の干物と交換して、仲良く暮らそうやないか言うてんねん」


「それは、ほんまか、すぐには信じられんがのう」


「まあ、長い間、争いを繰り返してきたからなぁ。猫不信にはなっていると思うけど、ほんとうの話やねん」


「持って帰った草を、みんなに分け与えて、それから、この袋に魚の干物を詰めて、できたら、うちと一緒にシロクロの家へ行ってくれへんかなあ」