「ちゃう、ちゃう、シロクロの考えは間違ってる。そんなことしたら、谷の部落と山の部落に格差ができるやないか。そんなことしてたら、あかん、あかん」


「そうかのう、ちゃうか・・・あかんのか・・・」

(魚の干物と、こいつの喋り方のせいで、言葉が変になる一方やないか。どうにかせないかんぞ)

「しかしな、私らは魚が食べられんから、昆虫や鼠や爬虫類しか食べるしかなく、栄養不足なんじゃ」


「たまに大勢で魚を獲りに行くがのう、どうしても体力に勝る、谷の部落の者にやられて、けが猫が出る。幸い薬草があるからいいようなものじゃが・・・」


「シロクロは、けがをする猫までだして谷の部落と、いつまでも戦争なんかしたないやろ?」


「そうじゃなあ・・・私は山の部落の者に、一度でいいから、魚を腹いっぱい食わしてやりたいのじゃがのう」