食事は魚の干物です。


みんなは車座になって、一緒に食事をして、隣の家族はマシュが話す大阪のことや町の様子を興味深く聞き入っていました。


夕食が終わると隣の家族は帰り、残ったシマとマシュは、横になり話を始めます。


「あのなあマシュ、ここの部落はな、谷の部落なので食事は、ほとんど毎日、魚ばかりなのじゃ」


「山に行けば、美味い草や薬草があるのじゃが、山の部落のやつらは分けてくれんのじゃ」


「そのかわり、わしらも山の部落の者が魚を獲りに来たら追い払っているのじゃが、隙を見つけては団体で漁に来るから、わしらも、みんなで阻止するのじゃ」


「それはもう、戦争状態でな、激しい争いなのじゃ」


「だからなマシュ、おまえも山の部落へは行ったらいかんぞ。もしやつらが、おまえを谷の部落の者だと思うと、激しくケンカをしかけてくるからな」