声の主は智樹だった。



智樹は同じ学科の人だった。



共通のバンドが好きで、仲良くなった。



「ちょうど良かった。金なくて、この前聖夜におごってもらっちゃってさ…」



そこまで言って聖夜がいないことに気がついたみたいだった。



「あれ?聖夜は?」



そこで私の中で何かがプツンと音を立てて切れた。