「先輩を初めて見たときかっこいいなって思いました。初めて見たのは体験入部の時だったんですけど…覚えてたりしますか?」

挨拶してくれた…
睨んだつもりはなかったんだけど怖がらせちゃった子かな。

『覚えてるよ。』

「本当ですか!それから、吹奏楽部にはいってうち先輩みたいになろうって決めたんです。」

いまだに話が呑み込めないけどとりあえず最後まで聞いてみることにした。

「うち友達がいないことがすごくつらくて。どうやったら友達ってできるんだろうって、すごく悩んでいたんですけど…先輩を見て安心したんです。先輩いつも一人でいるしあんまり話さないけど時々笑うとすごくいい顔してて、一人って恥ずかしいことじゃないんだなって思えてきて。堂々としてる先輩がカッコよくて。」

村上ちゃんは最初すごくおとなしくてわたしと似てる気がした。