暑い。

もう7月だ。
早く夏休みになんないかな〜。

そんな事を考えながら、いつも通り制服に袖を通し、リボンをつける。

私、鈴木真緒の通っている高校は自転車で家から約15分ほどにある高校。近さもあって選んだ高校だから、登校は割と楽ちんだ。

だけど、夏の登校は侮ってはいけない。
少し自転車を漕いだだけで汗が滴り落ちてくる。


「も〜、せっかくのメイクも髪の毛も台無しじゃーん!!」


私がそう嘆いていると、
ドスっと背中にかばんが当てられた。

「痛あ〜〜…」


「真緒、おっはよ!今日もきまってんね!てかもうすぐ夏休みじゃん♪一緒にどっか行こーね!」

この、元気でオシャレが大好きな女の子は、谷口里穂。
1年、2年と連続でクラスが同じで、いつも一緒にいるアタシの親友。
しっかり者で、何かあった時にはいつも真剣に話を聞いてくれる。アタシにとって、お姉ちゃんみたいな存在だ。


「そだね!てか、彼氏がいればもっと最高なんだけどなあ〜。」

「あはは。ホントに!てか真緒、翔太と別れてから彼氏作らないよね〜。可愛いのにもったいない!」

「そーゆう里穂はどうなの?最近進展の方は?」

「あ!そうそう!もー聞いてよお〜。ほんとに大好き!!」

「はいはい。」

いつも通り、朝から里穂の惚気に付き合う私。

惚気てる時の里穂は、女の子の顔をしていて、とても可愛らしい。



クラス替えして少し時間もたち、環境にも慣れて来た。

いつも通りの日常。

まあ、楽しいっちゃ楽しいかな?