踵を半分返しかけていたブラン半分その言葉にピクリと止まって、やがてグルンと勢い良く回転してレイリーに向き直れば真顔で尋ねた。
「何でそうなる?」
「...だって、オフの日だからって、ルカさんを一日借りるのに僕にこれだけ払うってそういうことでしょ?」
無邪気に首を傾げて、答えたレイリー。お金命のレイリーに大金を払ってまでしたいことの意図がよくわからないらしい。
コホンと、咳払いをしてブランが話し始めた。
「いいかい?ルカはこの街のこと、世界のこと、何も知らない。でも来てしばらくはオレが忙し過ぎてまともに何もしてやれなかった。だからオフの日には一から色々なことを教えてやらなきゃと思うんだよ。」
「...保護者にそんな義務ってありましたか?」
「......明言はされてないが、オレはある....と思ってる。」
「なるほど。」と短く答えたレイリーはモーニングコーヒーを一口飲んだ。ブランも何か気まずいのか、先ほどから紅茶を飲む勢いが止まらない。