その後、そそくさとブランは部屋を立ち去って。

レイリーは主張が通ってご満悦なのか終始鼻歌なんて歌っちゃってて。

ペングウィンは「似合ってるであります!」「可愛いであります!」と言うのを私の回り360度回りながら繰り返してて。

アルトはずっと寝ていたのかと思いきや、狸寝入りだったのか、突然「はははっ 何なんだおめーらはよっ!」と腹を抱えて笑いだした。


アルトが唐突な吹き出しに、驚いた私は肩をビクッとさせてそちらを見た。

「な、何がよ?」
「いや… なんか焦れったいつーか、何つーか。見てて面白いなと。」

バカにしたように鼻で笑ったアルトを見て、ちょっとムッとした私は追求してみた。

「何が面白いのよ。」
「しかも嬢ちゃんも満更でもないのな。はは、こりゃ大問題だな。」

一人で何を納得したのか、私は置いてきぼり状態だが、アルトは二本のその足で立つと部屋を出て行こうとする。

これ以上、事情が分からないまま話が進んでいくのが嫌で、私はアルトを追った。