マカロンのクッションにバフッとダイブしたレイリーが、無邪気に話し出す。


「本来なら今日も通常業務、家賃の回収をお願いしたいんだけど、実は街の謝肉祭が近くってね。」
「謝肉祭?」
「そうそう。だからちょっと街に出て、買い物をお願いしたいんだけど、いいかな?」

街で買い物... 。考えてみると、図書館の中からまだ一度しか出たことがないのよね... 。ブランの家に泊まった時、ただ一度だけ。

あの時は横道それずに図書館に直行したけど、普通に図書館を出れば街が広がっているはず...。

レイリーの提案に私の好奇心が疼く。

「う、うん。いいよ。勿論。」
「良かった。あ、ちなみにこれは契約違反にならないよ。"危険な戦闘及び、公序良俗に反する行い"はしないって話だったから。副隊長殿が厳しいから一応言っておくよ。」


ブランってそんな厳しい条件付けてたんだ...。

気にかけてることを考えると、また顔が熱くなった。