「ブラン!」
私は寝ていたところをベッドから飛び起きた。いつもの苦笑いで現れたブランは珍しく、服が乱れている。
「…おめー、どーしたよ、その格好は。」
アルトも気になったのか、怪訝そうな顔でブランを見た。
「いや別に。ちょっと奥地まで行って、ミスったていうか…」
「…」
ブランの返答に、アルトは納得していないようで、険しい表情を崩さない。
私も心配で、ブランを覗き込んでしまう。
「そんな大変な仕事だったの?」
「んー…まぁ、たまにはそんなこともあるよ。」
どこかそっけない返事で答えたブランはバスンッとベッドの端に座った。
「本当に大丈夫なの?」
「…何、そんなオレのこと心配してくれてるの?」
キョトンと目を丸くしたブランは、意外そうに私の方を見た。心なしか、頬が赤いような気もするが…。