「えっ えっと…」

「護身用だ。」とは今しがた釘を刺されただけに言えない。しかし、護身用だとブランから渡されたのも事実なわけで。


「…何かしら?」

不気味に口元だけ笑って、男が尋ねる。レイリーの方を見ると、観念したようにむくれていた。

ここは事実を言うしかないのだろうか。そうすれば、没収されてしまう。いや、だからといって…

私はゴクリと生唾を飲んで覚悟をする。とりあえず、レイリーの様子からして、この男に対して勝ち目はないようだ。

「それは…」
「ストーーーッップ!!」

突如大きな声が挙げられて、一瞬場が凍る。誰かと思えば、終始黙っていたペンギンが声の主のようだ。


「私(わたくし)、私は…滞納している料金を今日精算しますっ!」



突然の宣告で、さらに場に沈黙が流れた。