「この先は暗くなるの?」
「若干ね。とはいえ、妖精が住んでるから多少は明るいよ。それよりも湿ってて床が滑りやすいから気をつけて。」

レイリーが先頭を切って、階段を降りると、そこには30畳くらいの天井が低い部屋が広がっていた。

「綺麗…」

思わず言葉が溢れる。部屋は映画館のように薄暗かったが、キラキラ豆電球のごとく光があちこちで光っている。まるで蛍のように。

「妖精の羽から出る粉のせいだよ。」

感嘆する私の隣で、レイリーが淡々と答えると、角の方からギャハハと中年の男の声が聞こえた。

声の方向へレイリーが足を進め、懐中電灯をかざせば、そこにいたのは椅子に座った…

「ペンギン!?」
「いかにも!」

私達の存在に気がついたその服を着たペンギンが、180度向きを変えてこちらに振り向いた。