「ズバリ、亜人その他諸々からの家賃の回収!!」
「あじん?」

私は首を横に傾ける。そういえば昨日もそんな単語聞いたっけ。レイリーはフゥとため息を漏らして続けた。

「まぁ要するに、下等種族。人ならざるものってこと。」
「例えば?」
「狂人とか、妖精とか。」
「妖精!?」

レイリーは手にしていた紙を目の前に広げた。

「今いる場所は、このセントラルエリアの北西部。王宮関係の本がたくさんあるところなんだけど、ここより東へ奥に進むと、道がぼこぼこくねくねしてくる。」
「建物内なのに整えられてないの?」

私が驚いた表情を見せると、レイリーは一瞬止まった。

「…何、まだこの図書館を外から見たことないの?」
「いや、さっき見たけど…」
「だったら、建物が山にめり込んでるのを見たよね。建物は半分山になってるってことだよ。」
「…摩訶不思議というやつね。」

なんといったらいいか言葉も出てこないが成る程、そんな図書館だったら妖精とか出てきても仕方がない気がした。


「とにかくその場所まで行って、家賃を回収するのが君の仕事。」
「わかった。」


言うと、レイリーは紙をしまって立ち上がった。