「... 色々アイツにも事情があんだよ。俺は理由に大方の予想がつくけどよ。」

アルトは険しい表情で、目を細めた。

「俺はアイツの意思に反して勝手なことはできねー。だから詳しいことは本人に聞いてくれとしかいいよーがねぇ。だがこれだけは言っておきたい。」



アルトがまっすぐ私を見つめる。




「アイツには気をつけろ。」










そう言ったアルトの言葉が、私の脳内で響いて、いつまでも消えないなんてこの時思いもしなかった。