別にやましいことをしている訳でもないが、ブランの視線が素早くこちらに移ると、私は恐縮して肩がビクッとしてしまう。

無言だ「なんでいるの?」と目を細めたブランに、ライアンとリアムは我関せずと視線を逸らしたが、オースティンが不穏な空気を割った。

「あの連れの狼さん、結構気まぐれみたいでたひとりで帰っちゃったみたいで。...女の子を一人で返すのは良くないでしょ。」
「...だからって」
「他にいるとこないし。...何なら、オレが送ってこようか?」

オースティンの言葉に、ブランは怪しからんとでもいうように目を大きくした。