結局、アルトが帰ってしまったので、自分の部屋に戻るという選択肢は強制的になくなり、私はオースティンの後をおずおずとついて行き、彼の部屋でお世話になることに。
オースティンの部屋とは言ったものの、その部屋はさっきの部屋の隣で、当たり前のようにライアンとリアムもいて、デスクで何やら作業に追われている。
「…たぶらかしやがった…。」
私が部屋に入るなり、口をあんぐり開けたライアンが呟いたが、リアムに「違うだろ。」と返される。
「狼さんが帰っちゃったみたいで、一人では帰れないようだから。」
オースティンが爽やかな笑顔で答えた。