「わっ」

すぐ近くにオースティンの顔があっ、て思わず小さな悲鳴をあげると、オースティンは軽く笑った。

「驚いた?」
「誰だって驚きますよ!」

反動で後ろに仰け反った私に、オースティンは手を差し出し私が立ち上がるのを手伝ってくれた。

「あ、ありがと。」
「大丈夫だから。」
「え?」

私のお礼をさらりとかわしたオースティンの顔は少し真顔だ。

「副隊長の。アレは多分嫉妬してるだけ。」
「しっと...?」

聞き返そうとしたが、横で私たちの様子を見ていたライアンが喚いてそちらに目を奪われた。

「リアム、オレにも優しくしてよ!」
「何で僕が。」
「とりあえず起こすの手伝って。」

きりがないとでも言うように、リアムは嫌々ライアンを立ち上がらせた。