ぞろぞろと狭い道を歩いて15分ほどすると、奥に少し開けたエリアがあり、ドアが5つほど立ち並んでた。ドアの一つは壁ごと巨大な穴が開いたようで、破壊された後、荒く修復された後がある。


「こんなところにも部屋があるの?」
「住居エリアとは違うから、不動産物件ってわけじゃない。要は、なぜこんなところにあるかわからないが、偶然発見された部屋で勝手に討伐隊のメンバーが使ってる。」
「説明が悪い。これはオレたちに、仕事の拠点として与えられたものだ。」
「ま、そゆこと。」

相変わらず、争いの耐えないリアムとライアンをよそに、オースティンが笑顔で付け加え、部屋の一つの扉を開き中へ入った。

足を踏み入れてみて、ここが見たことがある部屋であることに私は驚いた。

暗闇の中から、一本の細く紐のようなものから吊るされたシャンデリア、赤と黒の格子柄の派手な床に、所狭しと並んだコッテリとした装飾の家具…配置こそ変わったようだが、見覚えがある。

初めてこの世界で目が覚めた時に見た光景だ。