アルトがそのまま寝息を立てだした頃、私は辺りを見回して尋ねる。

「…レイリーとペングウィンは?」

ライアンはさっぱりだとばかりに肩を竦めてみせた。

「あの赤毛の少年か?」
「うん…と、一応でかいペンギン。」
「分からないな。僕らが仕事の途中で出会ったのはそこの狼だけだ。」

腕組みをしたリアムが答えた。

「異世界人、これからどうするつもりだ?」
「良かったら、俺達と遊ばない?」
「何を言ってる、ライアン。」

ライアンが悪ふざけのように言うと、リアムが眉を顰めた。

「えっと…、一応レイリーを探して、それから部屋に帰るかな。」
「僕が聞きたいのはそういうことではない。このままこの世界に居座る気なのかと聞いているんだ。」

辺りにシンと沈黙が落ちる。