「で、そんな犬の手も借りたい折に、家賃回収してたワンちゃんに出会ったわけよ。」
「死にてえんだろ、てめー。」

わざとなのか、再び犬呼ばわりされたアルトはライアンに唸ってみせるが、ライアンはへらへら笑っているだけだ。

「というか、何であんな奥地で家賃など回収していた?」
「赤毛の不動産屋のクソガキに、今日は嬢ちゃんがいないから代わりに行ってこいっつわれたんだよ。知るか。....俺ァ寝る。」

リアムの質問に、アルトは面倒くさそうに答えると、よほど疲れたのか伏せをして目を閉じた。