「私は、ルカです。よろしく。」
「異世界の人だよな?」
「え、あ、はい。」
「マジか。初めて見た。」

ライアンは興味津々に目を丸くすると、私をまじまじと見た。

「ライアン、見過ぎだよ。」

ライアンの後ろから声がして、そちらを見れば、これまた似たような格好の青年がこちらに向かってきていた。薄茶色の柔らかそうな髪に、少しウェーブがかかっており深い藍色の目がこちらを疑わしげに見ている。ライアンが幾分か制服を着崩しているのに対し、後から現れたこの男はカッチリ着ていた。

男は、軽くライアンを叱責するが、ライアンは頭をポリポリ書くだけで反省の様子もない。私と目があうとフンと視線をそらして、握手の手もよこさない。

それどころか自己紹介もない。

見かねたライアンが、言葉を紡ぐ。

「悪い。コイツ、ツンデレだから。」
「誰がツンデレだ。」

男は不服そうだ。