これまたブランとよく似たコスプレをしたような黒髪の青年が、アルトの後ろの本棚から現れた。軍服のようなそれは、何かの制服の様である。

「関係ねーだろーが、おめーは」
「あるだろ。最後のモンスター倒したのは俺なんだし。」
「軽く手伝っただけだろーがよ。」

アルトと仲良く言い争う様子を見ると、どうやらアルトの知り合いらしいその男は、サラサラの黒髪と対照的な紫色の瞳が遠目でも目立つ、整った顔立ちの青年だ。

「お友達?」

「あ?ちげーよ。」とアルトが答えた一方、青年は「まあね。」と答える。全く噛み合わない。

「俺はライアン・マクファーレン。ライアンでいいよ。」

カジュアルに差し出された手を、私はなんとなく握り返す。