「....ともあれ、そこの異世界人の彼女は、魔法解除の術などあるわけないですから、彼女を襲った犯人か、あるいはザッカリー様ということになりますわ。」
「.....。」
ブランは複雑な表情で黙り込んだ。なんだかますます事情を話しづらくなってきた。
さっさと真実を話すべきなのかもとは一瞬考えたが、ザッカリーの言っていた「ローズブレイドの実験施設」というのがどうしても気になる。ザッカリーは私を助けると言っていた。しかしあの信用ならない笑顔....でも....
ふと私の視線はザッカリーが用意してくれた洋服に移った。そう言えばこれ...そのまま着て来ちゃったけど、くれるつもりだったんだろうか。
その後沈黙のまま進んだ馬車は、ブラン邸の前に止まった。