すると、静まり返った部屋にカチャという音がして、反射的に嫌な汗が額に流れた。



そして予感通り、ドアがゆっくりキイと開いた。


釘付けになっていた私は、瞳孔を大きく開いたまま立ち尽くしていたが、覚悟した矢先に目に入って来たのは、誰もいないガランとした夜の廊下だった。


狐につままれた気分、というよりは、正直恐ろしいホラー映画の始まりな気がしたくらいだ。


「こんばんは。」

そう思った瞬間、背後から突然声がして、背筋が凍る。