「...でも、オレがどういう家の出身なのかは、知っておいてもらいたい。...ただそれだけだから。」 頭をポンポンとされて、胸の苦しみは段々と和らいできた。私は涙を拭いて、笑顔を見せた。 「わかった...」 来た道をまた二人、手を繋いでかえっていく。 辺りはさらに暗くなり、あちこちで灯される光が綺麗だった。