「それは何...? 私を利用してるって意味?」

ブランの言葉を一つ一つ咀嚼して、ようやく理解に辿り着き始めると、じわじわと嫌な気持ちが胸に込み上げて来た。

私が意図しない方向に捉えたと考えたのか、ブランは慌ててフォローに入った。

「違う...! そうじゃない!」
「私を助けてくれたのもそういう意味?」

ブランのフォローも虚しく、湧き上がる感情は収まらない。ブランは私の両肩を掴んで言った。

「違う。オレがあの日、君を発見したのも偶然だし、オレは君を利用しようだなんて思ってない。オレが君を助けたいと思うのは、純粋にルカを助けたいと思うからだ。」
「ブラン...」

ブランの真剣な眼差しに思わず釘付けになる。私はの油断した瞳からはホロリと一粒の雫がながれて。


ブランはクスリと笑って、頭を撫でてくれた。