「あっ」

話の途中だったが、ショーウィンドウに飾られた小物に目が奪われた。可愛らしいクマのキーホルダーのようなものだ。

私が食い入るように見つめるので、ブランはふふふと笑って「入る?」と促した。話の最中で悪いいなと思ったが、何か答える前にブランが店の扉を開けたので、私はもじもじと後についた。

「可愛いクマだね。これが欲しいの?」
「えっ.. で、でも私お金ないし...」
「いいよ。オレが買ってあげる。」
「そんな悪いよ...」
「話聞いてくれてるお礼だと思って。それに、今日君を連れ出したのはオレだから。」

そう言ってキャッシャーに持って行ったブランは、支払いを済ませると私の手の中に、ふわっとそのクマの小物をプレゼントした。