「偶然にも、こんなところで出会えるのを光栄に思うよ。私の名前はザッカリー・シーランド。隣のブラン・ローズブレイドとは古くからの友人だ。」
ブランのファミリーネームを初めて耳にした私は、ピクンと耳が動く。ローズブレイド...どっかで聞いたような...
ブランの方を見ると、何故か苦笑いである。
何か隠されている気がしてで、気分を害したが大したことはないと笑顔を取り繕った。
「よろしく。」
差し出されたザッカリーの手を、吸い寄せられるようにして何気なく握ると、握り返された手は意外に強い力がこもっていた。