「彼女かい?」

流し目でちらとみた目は異様に妖艶で、なるほど女たちに好かれても無理はないと思う。が、何処か癪に触るのが否めない。

ザッカリーに対して、そんな第一印象を持ちつつあった私をよそに、ブランはたいそう慣れた様子で話した。

「違う。彼女は異世界人で、オレが第一発見者だから保護者になってる。」
「ああ、彼女が?話は聞いてたよ、数日前に異世界からの住人が流れ着いたって話...」

あくまでこれは私の勘だが、何をしゃべってもこの男は嘘を話している様な感じがする。

そのくらい、男の笑みは上品で、美しく、全てを見透かしているような感じすらした。