「...ケイレブ..さん?」
「そうだね。謝肉祭の催し物のリハーサルか何かだろうね。」
「お父さんのフランクリンさんや、弟のザッカリーさんは一緒じゃないのかな?」
ブランは私の言葉に止まり、笑顔が引いた。
「...よく...知ってるね?」
「街に買い物に出掛けた時に、アルトが教えてくれた。」
「そう...他には何か聞いた?」
いつの間にか真顔になっているブランが、神妙な面持ちで訊いた。
「例えば?」
「例えば...他の五大名家のこととか...」
私が首を横に振ると、「そう...」と軽くブランは答えて目を背けた。