と、思ったのも束の間、群衆の大歓声が耳を塞いで一瞬驚いてしまう。

きゃーっという甲高い女たちの声と、おおおっという男たちの声が混ざり合った大歓声。よく見回せば、広場は前回よりも混み合っている様だ。向こうの方に大きな人だかりがあって、中心には遠くからでも見える様な、ド派手で大きな山車の様なものの上に誰かが登場したところだ。

「シーランド家だね..」

ブランが横で苦笑いした。