今日、鈴木は本社で研修のため不在、井出は出張。
祐也のトレーニングは俺が担当する。
「よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
「先週、お休みだったよね、鈍っていないかな?」
と自然を装おって欠席を口にする。
「あ~、父親の実家の用事で。どうしても行かないといけなくて休んだんです」
と嫌なことだったような口ぶりで
「母と僕は行きたくなかったんですけどね」
と言う。
「まぁ、お父さんの用事じゃ仕方ないね」
と言うと
「父親はもういませんけど」
とサラッと言い放つ。
やっぱり離婚したって話は本当だった。
「え?いないって?」
「両親は離婚して、あっちは今は海外にいます。もうたまにしか会ってないです」
自分と血は繋がっているけど、身近な存在じゃない。
いないも同じだと。
ただ、父親の実家の親族は皆、別れても次男の元嫁の絵里子さんの事を可愛がり大切に思ってくれているらしい。
血の繋がった次男よりも別れた嫁の方を大切にする不思議な関係なんだと苦笑いしながら祐也は言った。
「絵里子さん、バツイチ。だから独身なんですよ」
そして、あの笹森さんそっくりの瞳でにっこりと笑った。
え、えっ?何だ?
何で俺に言う?
これは一体?
かなり動揺してしまった。大人の俺が中学生に翻弄されている。
表情を読まれないように笑顔をつくるが、顔はひきつっているかも。
「えーっと、えー、ふーん、祐也くんちは離婚しているんだね」
「ふっ。そうなんです」
何か今笑われた気がする。中学生に。
俺が自分の母親に好意を持っていることに気がついているのか?
「だから、母は独身なんですよ」
とまた言い、今度はニヤッとする。
おい、おい。何で2回も繰り返すんだ。
「この間、ジムのトレーナーさん達が母と飲んだって聞きました」
そうか、それを聞いたんた。
でも、祐也のニヤニヤは続いている。
「ああ。偶然一緒になってね。って聞いてる?」
俺は息子相手にドキドキしていた。自分の母親を狙う男ってどうなんだろう。
「はい、美樹さんから。盛り上がったらしいですね。母も楽しかったって言ってましたよ」
「そうか、よかった」
絵里子さん、楽しかったんだ。よかった。
「また、一緒に飲んでやって下さい。別にお酒じゃなくても食事でも何でもいいですから。よろしくお願いします」
そう言って祐也は俺に両手を合わせてお願いするポーズをする。
祐也のトレーニングは俺が担当する。
「よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
「先週、お休みだったよね、鈍っていないかな?」
と自然を装おって欠席を口にする。
「あ~、父親の実家の用事で。どうしても行かないといけなくて休んだんです」
と嫌なことだったような口ぶりで
「母と僕は行きたくなかったんですけどね」
と言う。
「まぁ、お父さんの用事じゃ仕方ないね」
と言うと
「父親はもういませんけど」
とサラッと言い放つ。
やっぱり離婚したって話は本当だった。
「え?いないって?」
「両親は離婚して、あっちは今は海外にいます。もうたまにしか会ってないです」
自分と血は繋がっているけど、身近な存在じゃない。
いないも同じだと。
ただ、父親の実家の親族は皆、別れても次男の元嫁の絵里子さんの事を可愛がり大切に思ってくれているらしい。
血の繋がった次男よりも別れた嫁の方を大切にする不思議な関係なんだと苦笑いしながら祐也は言った。
「絵里子さん、バツイチ。だから独身なんですよ」
そして、あの笹森さんそっくりの瞳でにっこりと笑った。
え、えっ?何だ?
何で俺に言う?
これは一体?
かなり動揺してしまった。大人の俺が中学生に翻弄されている。
表情を読まれないように笑顔をつくるが、顔はひきつっているかも。
「えーっと、えー、ふーん、祐也くんちは離婚しているんだね」
「ふっ。そうなんです」
何か今笑われた気がする。中学生に。
俺が自分の母親に好意を持っていることに気がついているのか?
「だから、母は独身なんですよ」
とまた言い、今度はニヤッとする。
おい、おい。何で2回も繰り返すんだ。
「この間、ジムのトレーナーさん達が母と飲んだって聞きました」
そうか、それを聞いたんた。
でも、祐也のニヤニヤは続いている。
「ああ。偶然一緒になってね。って聞いてる?」
俺は息子相手にドキドキしていた。自分の母親を狙う男ってどうなんだろう。
「はい、美樹さんから。盛り上がったらしいですね。母も楽しかったって言ってましたよ」
「そうか、よかった」
絵里子さん、楽しかったんだ。よかった。
「また、一緒に飲んでやって下さい。別にお酒じゃなくても食事でも何でもいいですから。よろしくお願いします」
そう言って祐也は俺に両手を合わせてお願いするポーズをする。